小さな布研究所
Hand Weave in Japan
BLOG
3月11日
2011年3月11日から10年。当時学生だった私は、突然の災害になすすべもなかったと同時に、何もしないでいることもできなかった。天災と同時に人災。時として自然はおそろしい。それは過去の飢饉や水害などからも知ることができる。しかし原発事故は、産業革命以降の自然と人間の関係の変化の末...
手仕事の衰退と美意識
アプローチ1気候、海の豊かさ、陸の豊かさなどが、悪化の一途を辿っている。南極の氷が溶けて海面が上昇し、小さな島々が姿を消してしまうのは、人間活動による化石燃料の使用や森林の減少などにより、大気中の温室効果ガスの濃度は急激に増加することが大きな原因といわれる。グローバル資本主義に席...
手の行為の集積
小さな布研究所がつくる手ぬぐいは、およそ260本の経糸と、700本の緯糸でできている。このうち700本の緯糸は、一回ごとにシャトルで糸を飛ばし、筬(おさ)を打ち込むことでできていく。機械であれば1cmの中に均一な本数が打ち込まれるが、手織りではそうはいかず、一回一回の力加減で微妙...
産業革命と手紡ぎ手織り木綿布の比較
人の手が幾重にも加えられてできた美しい布。産業革命と社会システムの変化によって、美しい布を生み出す環境が失われた。今回は、とくに産業革命の歴史を探りながら、手紡ぎ手織り手織りの木綿布と工業製品の布のを比較してみたい。まず、工業の歴史を振り返る。1. 家内制手工業・生産者とその家族...